欧州中央銀行(ECB)といくつかのEU政府がデジタルユーロの規制枠組みを巡って対立している。フランスやドイツを含む複数の政府は、ECBが中央銀行が支えるウォレットに個人が保持できるデジタル通貨の量を管理することは権限の越権だと主張している。これは単なる技術的な問題ではなく、経済的な不況時に市民が伝統的な銀行から多額を引き出せることで金融の安定性が脅かされる可能性もあるため重要な問題とされている。また、デジタルユーロに制限を設けることが個人の金融自由に対する侵害や過剰な貨幣管理への懸念を引き起こす可能性があるという意見も存在する。ドイツ、フランス、オランダを含む9か国の官僚は、デジタルユーロがECBの単独の管理下に置かれるべきではなく、EU内の日常的な取引に広範な影響を及ぼす重要な金融問題であると考えている。さらに、世界中での中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究が増加しており、G20全ての国が独自のCBDCの調査を行っている。