アメリカの主要な議会監視委員会のメンバーが、新たな情報長官に対し、イギリスがAppleにiCloudに保存された暗号化ユーザーデータへのバックドア作成を求めている件について圧力をかけるよう呼びかけました。イギリスは先月、捜査権限法の下でAppleに対し、エンドツーエンド暗号化を提供するAdvanced Data Protection機能で保護されているデータへのアクセスを要求する秘密命令を出しました。この命令は世界中に適用され、アメリカのユーザーにも影響を及ぼす可能性があります。
議員たちは、イギリスの命令がアメリカ人のプライバシーと安全に重大なリスクをもたらすと警告し、もしイギリスが撤回しなければ、アメリカとイギリス間の情報共有やサイバーセキュリティ協力を制限することを検討すべきだと提案しました。また、Appleがバックドアを作成させられると、そのバックドアがアメリカのデバイスにも影響を及ぼす恐れがあると指摘しています。最近の中国によるハッキング攻撃を例に挙げ、法執行のためのバックドアが悪用される可能性にも言及しました。
Appleはイギリスの要求に反対しており、アメリカの法執行機関はこれまでエンドツーエンドの暗号化に抵抗してきましたが、最近の大規模サイバー攻撃をきっかけに、より強固なセキュリティ対策が支持されるようになっています。議員たちは、この危険な試みを即座に撤回しない場合、アメリカとイギリスのサイバーセキュリティの取り決めを再評価するよう求めています。