フォードはEV戦略を見直し、電動3列SUVの製造計画をキャンセルしました。当初は2027年まで延期すると発表していましたが、完全に撤回することに決めました。その代わりに、次の3列SUVではハイブリッド技術を採用する方針です。この決定により、最大19億ドルの特別費用が発生する見込みです。また、次世代の電動トラックの発売も2026年から2027年後半に延期します。このトラックはF-150 Lightningからの学びを活かし、改善された空力特性や双方向充電機能を搭載する予定です。電動ピックアップの遅延により、低コストのバッテリー技術を活用できるとしています。

さらに、フォードは2027年に新しい中型電動ピックアップを市場に投入予定で、これはコスト削減を目指す専用プラットフォームに基づく初の生産車となります。フォードは、これにより中国のEVメーカーと競争できると期待していますが、米国は中国からの輸入EVに対し100%の関税を課しており、これはアメリカの製造業を保護するためだとしています。

また、フォードは2026年にオハイオ州で新型電動商用バンを生産開始する計画もあります。テネシー工場では、バンと次世代電動ピックアップ用の電池セルを2025年末に製造する予定です。EV戦略の見直しは、現在の電動モデルでの損失を減らし、将来のEVから利益を得るための取り組みの一環です。EV部門は今年、50億ドルの損失が見込まれ(2023年の47億ドルから増加)、EVに対する資本支出も予算の40%から30%に削減しています。

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