テレビの爆発音やサウンドトラックは非常に大きい一方で、対話の音は非常に小さくなることが多いという問題が存在します。特に現代のアクション映画やテレビ番組では、音が壁を揺らすほどの大音量である一方、対話はほとんど聞き取れません。このため、視聴者は設定を調整したり、サウンドバーの配置を変えたり、字幕をオンにしたりと、対話を聞き取りやすくするための措置を講じますが、効果は限られています。
DTSはこの問題を解決するために、「DTSクリア対話」というAIを利用した新機能を発表しました。この機能は、音声ストリーム内の対話を識別し強化することで、聞き取りにくさを解消することを目指しています。また、個々の好みに合わせた音声設定も可能です。DTSの技術は今後、テレビメーカーに導入される見込みですが、現時点では具体的な提携先は発表されていません。DTSは、コンテンツプロバイダーと提携し、家庭用の音声品質を向上させる取り組みも行っています。特に、ディズニーとの協力によりMCU映画の音質向上を図っており、その対話の明瞭さが期待されています。現在、このサービスはベルリンのIFAテックカンファレンスでデモ中です。