オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀行(RBA)は、小売型CBDC(中央銀行デジタル通貨)ではなく、卸売型CBDCの開発にシフトする方針を発表しました。この変更は、経済的利益が大きく、課題が少ないためです。RBAの副総裁ブラッド・ジョーンズは、卸売型CBDCが既存の金融システムにとって「進化的な」補完となると述べ、公共用の小売型CBDCはオーストラリアの金融体制に「重大な変化」をもたらす可能性があるとしました。

ジョーンズは、デジタルマネーに関する3年間の研究イニシアティブを発表し、卸売型CBDCや商業銀行のトークン化された預金に関する産業との協力を計画しています。プロジェクトでは、新しい台帳技術やプログラマビリティ、原子的決済などを探求し、オーストラリアの金融インフラへの潜在的な利点を評価します。

一方で、小売型CBDCの利点は「控えめまたは不確実」とされ、オーストラリアにとっては関連性が低いか、課題が多いとして慎重な姿勢を示しています。将来的に小売型CBDCの検討は行う可能性があるものの、その方向に進むには公共政策の根拠と「法的変更」が必要であり、最終的に導入についてはオーストラリア政府が決定する必要があると強調しました。

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