インド準備銀行の総裁シャクティカンタ・ダース氏は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を利用した効率的な国際送金の可能性を指摘しました。彼は「中央銀行の交差点におけるカンファレンス」での基調講演で、CBDCが国際送金の時間とコストを削減するための重要な手段であると強調しました。インドは24時間稼働するリアルタイム決済システム(RTGS)を持つ数少ない大国の一つで、ドルやユーロなどのグローバル通貨の取引をこのシステムで処理することを検討中です。

ダース氏は、CBDCの試験的なプログラムが既存のインフラとの相互運用性をテストしていることも述べ、特に過疎地やサービスが行き届いていない地域向けのオフラインソリューションの開発に取り組んでいると報告しました。また、CBDCについては、暗号通貨に比べて安定したデジタル通貨であるとし、その導入の遅れに懸念を示しました。デジタルルピーの試験は2022年12月に始まり、2023年6月末には100万件の小売取引を超えましたが、実際のユーザーの採用に疑問も残っています。最新の情報では、CBDCプラットフォームは8月に500万人のユーザーを超えましたが、ダース氏はユーザーへの影響を理解するための段階的な展開の重要性を強調しました。インド準備銀行は引き続き暗号通貨に反対しており、その経済的安定性へのリスクを指摘しています。

error: Content is protected !!