インドは、CBDC(中央銀行デジタル通貨)を通じて、他国とのモバイル決済の連携を強化し、国際間の送金や貿易を改善する意向を示しています。インド準備銀行の副総裁T. Rabi Sankarは、スリランカとの取り決めが既に整っており、UAEや近隣諸国との交渉も進行中であることを述べました。また、ブータンとネパールとの間にも「いくつかの取り決め」があるとのことです。RBIはASEAN各国の中央銀行とも協力し、地域的な即時国際決済プラットフォームの構築を目指しています。
インドはCBDC技術を先駆けて推進しており、G20会議では国際間決済の効率化を重要な議題とし、CBDCに関する委員会を設置しました。SankarはCBDC技術に関するセキュリティ対策にも取り組んでおり、マネーロンダリングやテロ資金対策の遵守が不可欠であると指摘しています。
インドのCBDC「デジタルルピー」の公開は保留中であり、リリース日程は未定ですが、急ぐ必要はないとSankarは述べています。インドブロックチェーンアライアンスの創設者Raj Kapoorは、CBDCの導入が国際的な金融システムを大いに改善する可能性を持つと強調し、信頼性や規制の側面での優位性を指摘しました。
ブロックチェーン技術を活用することで、仲介者を省略したリアルタイム決済が可能になり、国際送金のコストや遅延を削減できるとし、特にインドの多くの海外居住者にとって利益になると述べています。既存の金融エコシステムとの統合により、CBDCは政府からの支援も受けて広く受け入れられるだろうと期待されています。
インドのCBDCは、国内の金融包摂の改善だけでなく、国際貿易と決済の大きな変革にもつながる重要な一歩であると強調されています。インドの国際的な決済システムの向上への取り組みは、信頼構築やデジタル金融の変革を加速させる可能性があります。