SamsungはMacRumorsに対し、The Elecの報道が「完全に誤り」とし、詳細が虚偽であると伝えた。一方で、AppleはiPhoneのハードウェアデザインにおいて、AI性能を向上させるために分離メモリー包装への移行を計画している。SamsungはAppleの要請に応じて、この変更に対応するための研究を始めた。この変更は、DRAMをSoCから別に包装するもので、メモリ帯域幅を大幅に改善し、iPhoneのAI機能を強化するとされている。
現在のパッケージ方式は2010年のiPhone 4から使用されており、コンパクトさが利点であるが、AIアプリケーションには速いデータ転送速度と高いメモリ帯域幅が必要である。分離包装に移行することで、I/Oピンを増やし、データ転送速度や並列データチャンネルの数を増加させることが可能となる。また、メモリとSoCの物理的分離により、熱放散も良くなる。
Appleは以前、MacやiPadで分離メモリー包装を使用していたが、M1チップの導入以降はMOP(メモリーオンパッケージ)に切り替えた。iPhoneでの分離包装採用には、SoCやバッテリーのサイズ縮小など、他の設計変更が必要になる可能性がある。
さらに、Samsungは新世代のLPDDR6メモリ技術に取り組んでおり、現行のLPDDR5Xの2〜3倍のデータ転送速度と帯域幅を提供する見込みである。この技術はSK Hynixと共同で標準化が進められている。これらの変更は、2026年の「iPhone 18」から登場する可能性があるが、設計上の課題を克服する必要がある。