香港はデジタル資産の規制枠組みを強化するため、ステーブルコインに関する法案を提出しました。2023年12月18日の立法会で、金融サービス・財務局長のクリストファー・ホイ氏が法案の第2回目の審議を行いました。この法律は、法定通貨バックのステーブルコイン発行者の重要性が増している中、法的な枠組みを提供することを目的としています。

提案された規制は、ステーブルコイン発行者に対し、流通しているステーブルコインの価値に相当するリザーブを高品質の流動資産で維持することを求めています。また、保有者が高額な手数料や遅延なしにステーブルコインを額面で償還できる権利も保障されます。枠組みには厳格なリスク管理手続き、開示要件、マネーロンダリング対策も含まれています。

香港金融管理局(HKMA)は、ステーブルコイン発行者のライセンス付与、コンプライアンスの監視、違反の調査を行う権限を持ちます。昨年の公的な相談で広範な支持を受けたこの法案は、香港が国際的な基準に基づいた適切な規制を行う意欲を強化しました。

ホイ氏は、法定通貨のステーブルコインが一般的な支払い手段として採用される潜在性があり、それに伴う金融・貨幣の安定性へのリスクが高まることを指摘しました。また、迅速な採用が見過ごされると、従来の金融システムを混乱させ、貨幣政策を弱体化させる可能性があるとも警告しました。この懸念は、現在市場でのステーブルコインの時価総額が2200億ドルに達していることからも強まります。

香港は、中国本土の厳しい暗号通貨規制との差別化を図りつつ、デジタル資産の規制を明確にし、民間発行者に対する監視を強化することを目指しています。規制の透明性を高めることで、Web3の革新者やステーブルコインの発行者が安定した安全な環境を求めて香港に集まることを期待しています。

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