イギリス政府がAppleに対して、クラウドにアップロードされた全ての暗号化されたユーザーコンテンツへの無制限のアクセスを要求したとの報道がありました。この未公開の命令は先月発行され、Appleに対して、イギリスの安全保障官が世界中の暗号化されたユーザーデータにアクセスできるバックドアを作成するよう求めています。この要求は、他の民主主義国では前例がなく、批判者たちはこの法律を「盗聴者の憲章」と呼んでいます。
Appleの広報担当者はこの件についてのコメントを控えましたが、法律は政府による要求を明かすことを犯罪としています。イギリス政府は技術的な要求について詳細を述べない方針であると報じられています。
この状況に詳しい情報筋によれば、Appleはユーザーに対して最先端の暗号化が完全に安全ではないことを警告することができないと言われています。この要求が、非イギリスのユーザーに対しても経済的な影響を及ぼす可能性があることに驚き声が上がっています。Appleは、イギリスでの暗号化されたストレージサービスを停止する可能性があると伝えられていますが、これが他国へのバックドアアクセスの要求に影響を与えるわけではありません。
Apple CEOのティム・クックは、政府に対してバックドアアクセスを提供することが「悪い人々」にデータへのアクセスを許すことになると主張しています。サイバーセキュリティ専門家たちも同様の見解を示しており、悪意のある者がそのアクセス点を見つけるのは時間の問題だと警告しています。また、イギリス政府によるこの要求は、市民の基本的な権利や自由を侵害するものであるとの批判もあります。