Appleは2023年2月21日、英国におけるAdvanced Data Protection(ADP)機能を撤回しました。これは、政府から暗号化されたユーザーデータへのバックドアアクセスを要求されたためです。報告によれば、英国の当局はAppleに対し、国内だけでなく世界中のiCloudへの無制限アクセスを秘密裏に命じていました。この動きにより、一部のAppleデバイスユーザーは自分たちのデータの安全性やデジタルプライバシーに不安を抱いています。
ADPは2022年に導入されたAppleの最高レベルのクラウドデータセキュリティ機能で、エンドツーエンド暗号化を利用してデータをユーザーの信頼できるデバイスのみにアクセス可能とします。ADPを有効にすることで、Appleはデータへのアクセスが不可能となりますが、多くの一般ユーザーはADPを有効にしていない可能性が高いです。ADPが無効の場合、iCloudのデータはAppleが暗号鍵を保持し、法的に要求されるとアクセス可能です。
英国政府は、Investigatory Powers Act(IPA)の下でAppleに対し、バックドアを作成するように要求しましたが、Appleはこの要請には従わず、ADP機能を英国市場から完全に撤回する選択をしました。Appleは今後もユーザーのデータセキュリティを高く保つことにコミットすると述べています。