Metaの監視委員会は、2024年に共有された2件の反トランスジェンダー投稿を調査しています。1つ目は、トランス女性がトイレで別の女性に対峙される様子を映したFacebookの動画で、投稿ではその人物を男性として扱い、女性のトイレを使用する理由を疑問視しています。2つ目は、トランスジェンダーの少女が女性のスポーツ競技で勝利する様子を映したInstagramの動画で、観衆からの不満の声が響いていますが、こちらも選手を男として扱っています。Metaのヘイトスピーチポリシーは、性自認に基づく個人への攻撃を禁止していますが、両方の投稿は報告の後もそのまま残されました。その後、委員会への個別の異議申し立てがあったものの、Metaは再評価しても同じ結論に至りました。Metaは、Facebookの投稿は「トランスジェンダーの人々のトイレ利用に関する政治的議論の対象」としてニュース価値があるとし、残すことにしました。
委員会は、Metaの方針や施行の課題、各投稿の内容が社会政治的文脈でどのように見られるかについて9月12日までの間、一般の意見を求めています。この2つのケースを統合し、Metaの性自認に関する議論の管理が利用者の表現の自由とトランスジェンダー及びノンバイナリーの権利を尊重しているかを評価しています。Metaは、委員会の勧告後60日以内に返答する必要があります。
これまでのMetaの行動にはトランスの権利と福祉を侵害する一貫した傾向があり、昨年、監視委員会はトランスジェンダーとノンバイナリーのカップルの投稿が誤って削除されたと判断しました。今年初め、GLAADというLGBTQ+擁護団体は、Metaが反トランスのヘイトスピーチに関する自身のポリシーを施行できていないと示す報告書を発表しました。この報告書では、2023年6月から2024年3月までにFacebook、Instagram、Threadsでのヘイトスピーチの明確な例が多数示されています。